チェロの第1ポジションが広すぎるという方へ

チェロを演奏するうえでぶつかることのひとつに「第1ポジションで左手の指の間隔を開くこと」があると思います。極端に手が小さい人や指の短い人にとってその幅の広さが深刻な問題です。ここではその間隔を狭くするということについて紹介します。

 

まず指と指との間隔は具体的にいったいどのくらいなのでしょうか。

 

フルサイズのチェロで第1ポジションの場合、指の間隔は約34.5mm~34.75mmです。

フルサイズよりも少し小さめの7/8サイズのチェロと比較してみると、上ナットから駒までの長さ(以下弦長)は660mmとなり、第1ポジションでの指の間隔も33mmと狭くなります。

つまり弦長が1cm変われば指の間隔が0.5mmずつ変化することになります。

 

このことから、フルサイズのチェロでも弦長を短くすることで指の間隔が狭くできるということになります。身長的には構えることができるのに指の間隔だけで小さめの楽器を使っているというケースやもう少し指の間隔が狭ければと感じている場合などに有効です。1mm~2mmずつでも狭くなれば随分幅の印象も変わります。

 

 

指板と上ナットの調整でフルサイズの楽器の指幅を狭くすることが可能です。ただし弦の長さを短くすると弦の張りが弱くなるため響きに影響を及ぼす可能性もあります。そこでやはり小さめの楽器を選ぶという選択肢も出てくるわけですからどちらを選べばよいか...

 

この方法はどうしても指が開き切らずに悩んでいる、という方にとって選択肢のひとつになるでしょう。